10%が90%を賄う
F2Pが主流になりつつあるゲーム業界ですが、この仕組は善なのか悪なのか。
2014-02-03 09:22:35
入力時間 / 10:59
F2P(Free to Play)が主流になりつつあるゲーム業界。「無料でゲームができる」ことの仕組みは簡単で、90%の課金しないユーザを10%の課金するユーザが賄うという単純な原理によるものだ。この仕組は善なのか悪なのか難しいところですよね。
しかしながら、この仕組はなにもゲーム業界だけの話ではない。OSSやFreewareに関しても、意図的か否かに関わらず似たような仕組みだったりする。「お金を払ってもいい」「時間を費やしてもいい」と思う人間が、それ以外の人間の分を負担する。やや乱暴な言い方をすれば税制だって似たようなものだ。
本来であれば一人ひとりが少額を負担すれば事足りるわけだが「お金を払う」という敷居は想像以上に高いもの。いくら少額であっても、Facebookが有償であればここまでの規模にはならなかっただろう。そうだ。消費者とは無料が大好きなのだ。
人が集まらない場所は栄えない。F2Pは「人が集まりやすい環境づくり」と「課金ユーザのメリット感」と「無償でサービスを受けられる」など利点は少なくない。しかし、現状としては「課金する人としない人の不公平感」や「暴利をむさぼる課金スキーム」などのデメリットも少なくはないだろう。
賭博と異なり、明確な対価があるわけではないF2Pモデルでは、運営者側の裁量ひとつで大きな利益を得ることはそう難しいことではない。もう少しこのビジネスモデルが精錬されていき、課金する人もしない人も不公平感のない地盤になれば、これほど完成度の高いビジネスモデルは無いんじゃなかろうか。
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