和田憲幸のブログ

オバマさんがインターネットやソーシャルネットワークの力をフル活用して大統領になったのは記憶に新しい話ですが、今の日本はアメリカや諸外国から比べて決定的に遅れている事はみなさんもご存知の通りだと思います。

「原子力安全庁のサイト作成に1億4000万円」や「衆議院のサーバーがウイルス感染」なんて馬鹿丸出のニュースも最近ありましたね。これらは氷山の一角ですが、日本のITは本当に実はヤバいのです。e-Taxなどの公官庁関連のWebサービスを触ったことがある人ならそのヤバさを知っている事でしょう。マジでヤバい。

これらヤバい状況はなぜ発生するのかというならば、答えは簡単でITに造詣のある人が国家に居ないから。そして、予算に対する認識の甘さと、発注先の道徳心の無さ。などなど、あげつらえればキリがないほど理由は多岐にわたります。私も公官庁系の仕事を何度かしたことがありますが、まぁとりあえずひどいですよね。

孫請け

孫請けとは下請けから更に下の会社が請ける事。公官庁の仕事はすべてではありませんが、孫請けやひ孫請け、ひひ孫請け、ひひひ孫請け、など兎に角受注元の手から大きく距離をあける場合が少なくありません。それはなぜかというと・・・まぁ詳しい話は長くなるのでおいておきますが、これは体質による所が大きいのでヤバいです。発注元から距離が離れれば離れるほど、結果として費用は肥大化します。それは税金となって国民に返ってきます。

縦割りと補助。重複するサイト群。

アメリカでは「24,000のウェブサイトを閉鎖へ」なんてのもありましたが、日本も実は同様で馬鹿みたいに重複する内容を各自治体や各省庁が公開していたりします。日本がこれらを閉鎖に踏み切るのにあと5年以上はかかるかもしれません。そして、恐らくそこに費やされている費用は8億円どころじゃ済みません。桁がひとつふたつ違うでしょう。これらも当然血税によって無駄に生産されています。

重複する内容のサイトが多く作られる要因のひとつが縦割り。自治体などでも「重複するコンテンツは一緒の場所に置いて一元管理しよう」という発想は無く、各自治体が同じ内容を別々の場所につくっています。仲が悪いんでしょうか。しかも、それらのコンテンツやシステム等には国から無駄に補助が出ているので、その予算を使いきりたいという思惑も働いているようです。俺らの税金なんだがのぅ。

無駄なコンテンツ

公官庁系のお仕事は兎に角無駄が多い。ガイドラインもヒドい。旧石器時代のガイドラインなのか？と思うほどひどい。担当者も馬鹿が多い。にも関わらず聞く耳を持たない場合も多い。大元の国が馬鹿だからどうしようもない。無駄なコンテンツを無駄につくる仕事が少なくないのが現状ではないだろうか。もちろん税金によって。

ということで日本のITがヤバい

ヤバい要因は日本全体がITという分野に対して非常に遅れているから。パーソナルコンピュータの流行が日本とアメリカでは10年の差があるため、日本の40代とアメリカの50代のITに対する造詣は同じくらいと考えれば、日本がIT後進国として後塵を拝しているのは自明の理とも言える。ようはオッサンを通り越しておじいちゃんたちがITを重要視しないというのは必然だ。

しかし、そんな人達が国民総背番号制たるマイナンバー（2015年開始予定）を導入するとなると、私はかなりゾッとする。住基ネットがあぁなったように、恐らくはコケるだろう。そして落ちるだろう。そして攻撃されることだろうことは想像に難くない。そしてそのクソみたいなシステムに税金が何億、何百億、何千億、ひょっとしたら何兆円と投入されるかと思うとさすがに胸糞が悪くなる。

例えばオバマさんは最高技術責任者として若い力を借りるなど、インフォメーションテクノロジーの力を理解し、活用することを知っている人だが、日本でこのような戦略がまかり通るかと言えば恐らく答えはNoだ。せいぜいtwitterで失言するのが精一杯だろう。

中国のように国家としてハッカー集団を育てろとまでは言わないが、少なくとも情報戦争時代には既に突入している事は明らかな現代において、ITを活用することもできず、サイバー攻撃への防衛手段すら危うい日本はいろんな意味で本当にヤバいと私は思う。

ジジババばかり集めていないで、もっともっと若い力をつかってくださいよ日本政府。