和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(43歳)のブログです。

モラル依存のシステム

日本はモラルに依存したシステムが多いですよね。

2012-07-13 06:16:07
入力時間 / 24:01

ある意味で厳格ではないシステムやルール。ちょっと前に話題になった生活保護なんかも正に。
良く言えば相手を信頼したシステム。悪く言えば検証・チェックを放棄したモラル依存のシステム。

こういったモラル依存のシステムは往々にして脆弱性になりやすい。なぜならば常識や美徳といった個々人の価値観や主観に極めて頼ったシステムであるからに他ならない。例えるならば「必須項目は入力してね。でもシステムでチェックはしないよ。あなたを信頼しているから。」というようなものです。

いま話題になっている大津市のイジメ問題なども同様で、ある意味では警察・教育委員会・学校・保護者の暗黙の信頼関係が崩壊したことに起因する問題のひとつと言えるだろう。各々の立場が各々の役割を履行することを前提としたシステムだから。しかし、それがいまの日本では崩壊しつつある。というよりはそのずさんな実態が露見してきたと表現したほうが正確かもしれない。

悪いことはしない

というある意味での常識。つまりモラル依存のシステムとは性善説を前提としたシステムなわけだが、情報チャンネルが多種多様に広がり、膨大な情報に晒される現代社会においては性善説を期待するのは困難と言わざるを得ない。twitterのバカ発見器っぷりを見れば、性悪説こそ真実だという確信が得られるだろう。

モラルハザードは厳格化を生む

システムとはバグや不正を潰すためのルールに他ならないわけだから、こういったモラル依存のシステムの脆弱性が露見するたびにシステムは厳格化される。結果として我々の未来に待っているのはルールでガチガチに縛られた決して生きやすいとは言えない社会であろうことは想像に難くない。言論弾圧だ表現の自由の侵害だなんだと言ったところで、それを不法に利用する者がいる以上、厳格化は決して避けて通れるものではないだろう。

本来であれば小さなコミュニティ、つまり地域や家庭で品質の高いモラルを育む事ができれば、こういった厳格化は避けられるはずだった。しかし、現代社会においては小さな地域コミュニティは形骸化し、その意味を成していない。核家族化もその一因を担っているだろう。

近い将来、先進国においては道徳教育の品質を高めていくかが大きな問題になっていく事だろう。
その答えはなんのことはない、核家族化を防ぎ、地域コミュニティを大切にするという先人の習わしに帰結するわけだが、インターネットが存在する高度情報化社会においてはそのシンプルな答えに辿り着くのに長い時間を必要とするかもしれない。

モラル依存のシステムはシステムとしては欠陥だが、日本人の私としてはそこに美徳を感じます。
日本人として恥じること無い典雅な人生を送りたいものですね。

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