利権とモラル
多種多様なサービスが乱立する現代。果たしてそれは消費者のためなのか。
2009-04-01 21:31:30
入力時間 / 13:34
エイベックスが動画サイトを立ち上げたそうです。モバイル向けのね。IT業界に身を置く方であればこの展開の末路に何が待っているかはだいたい検討がつきそうなもんです。フジテレビだかTBSも動画サイト作ってたな。類似した様々なサービス。そこに独自性は無い。利権を守るために突っ走るケースが大半。
インターネットの世界には選択肢が多すぎる。そしてその膨大な選択肢を消費者は草の根を分けて探さなくてはならない。果たしてそれは消費者に取ってよいことなのだろうか。もちろん選択肢が多いこと自体は悪くはない。ただ、選択肢が多すぎるのはどうなのか。
すべてのコンテンツを網羅していてはブックマークの量が大変なことになるだろう。結局は時間の経過とともに淘汰されていくわけだ。VHSとBetaやブルーレイとHD-DVDのようにね。結局、それまで費やした時間を取り戻すことは誰にもできない。HD-DVDレコーダーを買った人たちが良い例だろう。
海外では盛んなマッシュアップ系のサービスは日本の大手はほとんど手がけていない。インターネットの世界において、マッシュアップこそが答えだ。それはユーザもそれを望んでいる。ちょっと前に話題になった15歳が作ったYouTubeのマッシュアップはすばらしい答えだ。たった15歳の少年がYouTubeのAPIを駆使して、すばらしい音楽ライブラリのWebアプリケーションを作ったのだ。
日本は良くも悪くも協業を拒む。一社独占を望む。利権を手放そうとしない。決して。それは非常に劣悪な悪癖だ。美しくない。利用されるでもなく、利用するでも無く、一緒になって最高のサービスを創造すればいい。それこそが消費者の求める答えだ。
いま、インターネットの世界は砂漠の中から一粒の宝石を見つけるような世界。決してそれは望まれた世界ではない。各企業が利権にとらわれること無く手を取り合ってモラルのもとに消費者のことを真摯に考える社会になれば日本のIT業界もかわるんでしょうね。
TAG
P.223