和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(43歳)のブログです。

インターネットと無罪の推定

無罪の推定または推定無罪という考え方がある。何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定されるというやつだ。

2011-01-13 09:01:56
入力時間 / 13:21

ブログをはじめtwitter、Facebookなど個人が容易に情報を発信できるようになった今日、「無罪の推定」無くしてインターネット上が膨大な断頭台と化しはじめているという話ね。

「Wikileaksの公文流出」をはじめ「海上保安庁の映像流出」「twitter上でTwitter社員がGoogle社員をレイプしたなんてツイート」もあり、日本でも「大桃美代子の不倫暴露ツイート 」「稲本のデートをTwitterで店員が暴露」なんて有様である。これらの事象が示すことはなにか。

情報の発信が容易になったことはWeb2.0なんて言われていた頃から迎合されてきた。しかしモラル無き人間がそのチカラ、つまり「情報を世界へ向けて不特定多数に発信する」という一種の暴力にも似た権力を手にする事は情報化社会にとって看過することができないほどの危険性を孕んでいると私は言いたいんだ。

前述の通り無罪の推定というのがある。これは法治国家としての原則と言ってもいい。にも関わらずどうだ。マスメディアにしても個人にしてもあまりにも情報を粗悪に扱い、また自身があたかも裁判官であるかのように有罪を断定する。これは「情報発信」という手段を持った人間すべてがギロチンを手にしたのと同じくらい怖いものである。

「ペンは剣よりも強し」なんて言葉もあるが実際に言葉(情報)とは武器でもあり暴力でもある。特定の誰かを社会的に抹殺することなんて「情報」を以てすれば包丁で人を刺すよりも容易なこと。しかしその事を熟知した「情報を発信する側の人間」はあまりに僅少だと言うことが問題だ。

これは情報を扱う上でのモラルの話である。日本は法治国家だ。たとえそれが悪人であろうとも殺人者であろうとも、そいつを裁く権利を一般人は有していない。そして有罪が証明されるまでやはり無罪なのだ。それは犯罪であること、無いことに関わらず。

情報発信という凶器はある意味で銃社会よりも恐ろしい。
しかしながら悲しいことにその事を理解している人間はあまりに少ない。

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