和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(43歳)のブログです。

アップデート地獄

App Storeはアップデート地獄という名のパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。

2011-12-15 17:36:58
入力時間 / 12:44

App Store便利ですよね。アプリが常に最新状態を維持できるって。いろんなアプリを入れていると、ほぼ毎日なんやかんやのアプリのアップデートがありますからね。でも、これってちょっと開発者からすると怖いことですよね。

アップデートの義務化

つまりはそういうこと。永遠にアップデートをし続けなくてはならないという暗黙の義務が発生している気がする。特に怖いのがiOSのバージョンアップに伴うアップデート。iPhoneはAndroidと違って、常に最新のOSへのアップデートを推奨しているため、iOSのアップデートに伴ってアプリがちゃんと動かないというケースは少なくない。

しかし、iOSをアップデートする事で動かなくなるアプリが出る可能性への注意喚起が適切に成されているとは当然思えない。結果としてiOSのアップデートでアプリが動かなくなった場合、その非難の矛先は開発者に向かうわけである。それがまだ無償のアプリであればいい。だが、有償のアプリだった場合はレビュー欄で「金返せ」コールが巻き起こることは想像に難くないだろう。

WindowsやMacなどのパソコンの場合であればOSのアップデートは言うなれば一大事だった。OSのアップデートをする前にハードウェアやソフトウェア等、動かなくなるリスクを事前に調べるということも慣習化していただろう。しかし、ことスマートフォンに限って言えばそういった予備知識の無いユーザが大半を占めている都合上、こういった問題は浮き彫りになりやすい。

ましてや特定のアプリを使うためにiOSのアップデートを見送るという選択肢があるとも思えない。結果としてデベロッパはアプリを永続的に「無償で」アップデートする義務を負うわけだ。これはちょっと怖いぞ。

とはいえ、OSのアップデートで動かなくなるアプリは極々一部に限定される。しかし、その極々一部の動かなくなるアプリの大半は、実は有償のアプリである場合が多い。それはなぜかというと、有償のアプリのほうがいろいろ面倒なことをしているからだ(しかもそこそこのお値段の)。

無論、エンドユーザがこういった仕組みを理解してくれるのであればそれに越したことは無いが、そんな淡い期待を持てないことは既に歴史が証明している。今後、スマートフォン向けのアプリのみならずWebアプリケーションやクラウドも同様の道をたどるかもしれない。それはブラウザの汎用化・高機能化・多目的かによるところが大きいだろう。

何かをつくり、何かを公開する。ただそれだけでもリスクを背負わなきゃならないんだろうねぇ今後。

余談ですがすごい昔に公官庁系のWebサイトをつくった際、「今後、アップデートされるブラウザに随時無償ですべてのブラウザに対応する」という要件があった。すごい無茶な事を言いますよね公官庁って。

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