和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(43歳)のブログです。

効率化パラドックス

どんな企業も、個人も効率化や合理化を追い求めるものです。

2008-12-21 16:16:37
入力時間 / 17:30

女性はそういうところ無いみたいですけどね。あ、女性差別。ということで、主として企業にとって効率化・合理化はまさに宿命。それを成さねば利益が上がらないという。多くの飛躍している企業は驚くような方法で「効率化」を図っていたりするものです。上司から効率化や合理化を押しつけられた事がある人も少なくないのではないでしょうか。

効率とマンパワー

ということで、効率とは具体的になんでしょう。辞書曰く「仕事量と消費されたエネルギーとの比率」または「使った労力に対する、得られた成果の割合」との事です。ふむふむ。1のエネルギーを使ってどれだけの対価を得られるかと言うことですね。SEとかプログラマだと1ヶ月で60万~120万とかですよね。つまり一人あたり8時間×20日間=80万とすると1時間当たり5000円ということになるわけです。いわゆるマンパワーというやつですね。人月とか。人日とか言われるものです。

ようは一人が1時間で5000円キッチリ稼げていれば100%。それ未満であれば非稼働率が発生するわけです。企業としてはその非稼働率を下げること=効率化になるわけですね。完全歩合以外だと、非稼働・稼働に関わらず人件費を払う必要があるわけですからね。

効率化を叫ぶ零細・中小企業

そこで経営状態が芳しくない零細企業さんや中小企業さんは部下に効率化・能率化を声高に叫ぶわけです(苦笑)。しかし多くの不採算企業ではその効率化・能率化がヴィジョンを持っていません。ただただ効率化を叫ぶわけです。そしてここがまさに地獄の入り口だったりするんですねぇ。

効率化パラドックス

「効率化を追い求めるために時間と労力を犠牲にする」というパラドックスが発生します。それは例えば「効率化のために残業が増える」だったり、「効率化のために作業が遅延する」だったり、「効率化のために仕事が増えて給料が下がる」だったりします。その時点ですでに効率化から逸脱していることを経営者は気づきません。つまり何かを犠牲にして効率化を実現しようとするわけです。前提条件の段階ですでに論理破綻してるんですよね。それって効率化って言わないんですけど。非常にわかりやすい悪循環スパイラルのできあがりです。

なぜパラドックスが生まれるか

それは「効率化」という漠然とした思想への意識に他なりません。本来は「どういうロジックで効率化を成すか」を見据えた上での効率化でなくてはならないはずが、目先の「効率化」という言葉に囚われた結果、漠然とした施策の実効に至ると言うわけですね。それに加えて「労働力」「人材」という無形資産に対する意識があまりになさ過ぎます。残業代未払いのニュースなどをよく見かけると思いますが本来は人材や労働力も全て資産なんです。労働者は自分の労働力を企業に貸与することで、その対価である給与をもらってるものなんですね。そういった前提が無いので「効率化のために残業が増える」という訳のわからない自体が発生するわけです。なんか政治もそういうところありますよね。政治だと企業で社員に当たるのが国民で、政治家は役員と言ったところでしょうか。税金は残業と言ったところでしょうね。

全てのしわ寄せは社員へ

そうして行った様々な施策のしわ寄せは全て社員へ降りかかるわけです。日本の企業にありがちな話ですが。きっちりコンサルが入っていたり、見識に優れた経営者であればその筋道をしっかり通すんですが、なにせ経営に困ってる企業でそれを求めることはできません。結果的にそういった事態が所得格差や企業の格差をどんどん広げていくわけです。あら悲しい。

効率化を図る上で対価が必ず必要

対価無く効率化を図ろうなんて虫が良すぎるにもほどがあるわっ!ということで、例えば普段半日掛かる業務が10分で終わるシステムを導入したとしましょう。そのシステムに金を払うのは至極当然ですよね?それは効率化のもっとも一般的な例と言えます。でもこと人件費に関して企業はそういう意識を持ちません。社員のスキル向上を含めて効率化を無対価で慣行しようとするその姿勢が駄目だろっ!!100万のシステムをタダでくれっって言ってるのと同じです。経営者がそういう考えを持っちゃ絶対ダメッ!!

効率化・能率化を推進している経営者様へ

効率化・能率化とはまさに試行錯誤の賜。それに疑いの余地はありません。しかし、その試行錯誤や労力をスタッフに捻出させる姿勢は良いとは言えません。しっかりとしたノウハウや事例・土台の上で効率化を推進して頂けるとスタッフも気持ちよく効率化に取り組めると思います。ワンマン経営が多い日本ではありますが、ぜひ労働者の視点から考えることができる経営を!

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P.92

Mr.Kさん
「効率化・能率化とはまさに試行錯誤の賜」まさにおっしゃる通りです。
どうも、Mr.Kです。
私は、小さな会社の経営者ですが、真剣に仕事をしていれば、いろんな問題・疑問に気付きます。その気付きを社員と共有できる環境がまず第一と考えています。常に互いが言いたい事を、話し合える環境といいますか・・・それがまず、効率化へ繋がる第一歩じゃないかと。
次に、経営者が常に勉強しているかも大変重要です。良くも悪くも、他の経営者の仕事のやり方や、和田さんのブログを熟読すること等です。現状に満足する事が一番のガンですね。あとは衰退するだけですから。
まぁ一番悪いのは、経営者の押付。過去に私も失敗してますから。

和田さんは、いつもええ事いいますねぇ。いつも勉強させてもらってます。2008-12-22 11:04:15
和田
>Kさん
いつもありがとやんす~。一致団結というかホントに基本的なことですけどチームワークって大切ですよね。特に企業にとって。企業は肥大化すればするほど、そういう大切な部分がどんどん無くなっていくんですよね…。経営者や役員たちは言うなれば社員のお父さんでありお母さんじゃなきゃダメですよねぇ~!2008-12-23 01:11:11