和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(45歳)のブログです。

迷って、探して

時代は変わった。なんでも昨今の人たちはページを開くのが1秒遅いだけでそのページは見ないらしい。ダイヤルアップ時代を生きた私からすれば想像できない時代になったものだなぁ。

2016-04-13 06:06:03
入力時間 / 12:17

インターネット黎明期の1990年代後半、インターネット環境はいまと比べてすご~く貧弱だった。56kbpsのダイヤルアップや深夜帯にかけてダイヤルアップが定額になるテレホーダイなど、懐かしいと思う人たちの大半はいまオッサンになっている事だろう。

ISDNの登場によって定額でインターネットし放題!という時代がきたときは「キタコレ!」と思ったものです。従量課金制の時にネットしすぎて電話代が大変なことになった人も少なくないのではないでしょうか。

ということで、過去を懐かしむあまりISDN時代の画像表示を再現するJavascriptを書いてみました。

昔って画像はこんな感じで読み込まれていたもんですよね。1枚の画像を読み込むのに数十秒~数分かかることは決して珍しいことではなかった。それでもいろんな画像(主にエロ)を見たし、いろんな情報を探したもんです。必然的に無駄なページを開かないために、目的のページにたどり着くための技術が身についた人も多いんじゃないでしょうか。

しかし時代は変わった。1秒を待てない人たちが増え、情報を探さずに情報を受け取る人たちが増えてきた。自分で反芻せずに要約された情報を受け取る人もどんどん増えている。

たしかに便利な時代になった。Siriに話しかければいろんなことを教えてくれるし、Googleの検索精度も飛躍的に高くなっている。Amazonは自分が欲しいとわからないものまで教えてくれる。たしかにそれらは便利だ。

自分で一生懸命情報を探したり、迷ったり、そういう苦労するという体験が今のインターネットには無くなりつつある。便利すぎて。昭和っぽい考え方かもしれないが、私はそれがちょっぴり切ない。

迷って、一生懸命探して、ほんで辿り着いた時の達成感みたいなものを今の若い人たちは味わえないのではないかなと。それはすこし悲しい事なんじゃないかなと。

モバイル環境下でも画像が一瞬で表示される時代になっちゃったけど、お目当てのエロ画像を数十秒かけて開く時代にも良さってありましたよね。んで表示されたらなんか違ったくらいにして。

「苦労は買ってでもしろ」と言いますが便利過ぎる世の中では本当に「苦労を買う」時代がきたりするのかもしれないな。まぁとりあえずカーナビなんかもそうだけど、迷ったり探したりするってのは意外と人生の醍醐味であり楽しみだよなぁとふと思いました。

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