和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(45歳)のブログです。

模倣と創造の境界線

優れた芸術家は模倣する。偉大な芸術家は盗む。とはピカソが言った言葉ですが、模倣と創造の境界線は極めて曖昧なものですよね。いや、オリンピックのパクリ騒動の話ですが。

2015-09-02 08:51:29
入力時間 / 16:44

創作・創造のはじめの一歩は模倣からというのはクリエイティブな業界に身を置いた人であれば誰もが身にしみて知っていることでしょう。今回の騒動について佐野氏を擁護するつもりはありませんけど、あのロゴをパクりと認定しちゃったら佐野氏も言ってたけどシンプルなデザインなんてできなくなるよなぁ。と、私も思いました。

デザイン業界だけではなくWeb業界なんて模倣の巣窟みたいな場所です。模倣の常習犯である故スティーブ・ジョブズさんはピカソの言葉である「優れた芸術家は模倣する。偉大な芸術家は盗む。」を引用して「アップルは恥じることなくパクッてきた」と明言していますしね。そしてさらにそれをMSがパクるという。

AppleのWebサイトがリニューアルすれば、多くのWebデザイナーはそれをパクる。AppleがWebサイトの横幅を変えれば変える。アコーディオンを使えばみんな使う。ツルテカのボタンにしたらみんなツルテカのボタンにする。あくまで私の印象の話ですがWeb業界ってなんかそんな感じです。

みんながパクってるからOKというわけではなく、パクる事とトレスすることは違うし「パクり=悪」ではない。そして「似ている=パクり」でもないと私は思うんですよ。それがシンプルなものであれば尚の事。感性の問題で「いいな」と思った感情が知識として蓄積されて、それを発現することが創造・創作だと思うので。

創作・創造が知識や経験の産物である以上、絶対的なオリジナルというのは存在し得ない。なので似ているからパクッているというのはいささか安易なんじゃないかなと私は思います。まぁ結局使用を取り下げたそうですけどね。私は取下げなくても別によかったんじゃないかなぁと思っています。悪しき慣習になりそうでね。

コンペ資料やプレゼン資料で写真を無断使用した件はマズかったですよね。でも、どんなデザイン会社でも少なからず心当たりがあることなんじゃないかなと。社内資料やプレゼン資料にテキトーに持ってきた画像・アタリをつかってそのまんま、なんてことけっこうありがちじゃないですか。もちろんそれが公に出ちゃったのは問題ですけどね。

今回の騒動は決して褒められる事ではない、擁護しようのない点も多々あるけれど、騒ぎすぎなんじゃないの~?と私は思います。っていうかみんな五輪に関心すごいあるんだな!!と。

模倣と創造の境界線ってスゴイふわっとしているから、あまりこういう騒動で目線がキツくなることはいいことじゃないと私は思うな。

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