和田憲幸のブログ

WIREDの記事は本当に秀逸なものが多いですね。WIREDになぜイルカだけが特別なのか？日本のイルカ漁をイタリア版WIREDが擁護するという記事が掲載されている。お時間のある人はぜひ読んでいただきたい。

多くの西洋文化圏から批判にさらされる機会の多いクジラ漁やイルカ漁。ケネディ駐日大使がTwitterでイルカ漁を批判したことも記憶に新しい。WIREDの記事にも書いているが豚や牛はよくて、クジラやイルカは駄目という理屈は筋が通っていないですよね。もっと言うなら植物ならいいのかって話ですよね、植物も歴とした生物なわけだし。

人類が進化するためには肉食が必要だったという説もあるように、肉って人間にとって不可欠な栄養源であることに疑いの余地は無いだろう。動物にせよ植物にせよ、人間は何かを食べなければ生きていけないわけだから、生きることを肯定するためには食べることを否定できない。それが生きるって事だと思うのだが。

知性のある動物を食べるのは下等で、知性のない動物や植物を食べるのは上等だって話でもなかろう。少なくとも現代においては生きるということは何らかの生命を殺すことと同義なわけだ。いつの日か、無機物から完全栄養食品を作ることができれば、これらの価値観は根底から覆されるかもしれないけど。

こういう議論が起こること自体、人間って傲慢な生き物だよなと本当に思う。動物であるということは人間を含めて栄養を摂って糞垂れるってことなのだから、その事実を甘んじて受け入れれば良いのにと私は思うが。動物も虫も植物も殺めないで生きようと思うなら、もう死ぬしかないよなぁ。