和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(45歳)のブログです。

ゲーム業界の方向性 #PS4

やや旧聞になりますがPlaystation4が発表されましたね。ドキドキしました。

2013-02-23 20:27:11
入力時間 / 21:06

どうもゲームっ子の和田です。先日、Playstation Meeting(開発者向けカンファレンス)でPS4が発表されましたね。私も朝8時からUstreamで視聴しました。もちろん全裸で正座しながら。賛否はあるようですが、私にとっては大満足な方向性の提示に、いまから発売が待ち遠しくてたまりません。

ゲーム業界の歴史を語ると長くなるので割愛しますが、現在は大きく分けて3社が覇権を巡り争っている時代です。では各企業の方向性を私なりにザッと解説しましょう。

Microsoft Xbox

鳴り物入りでゲーム業界に飛び込んだXboxが主軸とするのは「エンターテイメントデバイス」としてのゲーム機。イメージ的にはWindows Media Centerに近いものですね。Kinectなどに注力しているのもそのためでしょう。いわゆる「リビングエンターテイメント(リビングのエンタメの中心)」としての役割が主であり、それをWindows OSにつなげるための役割を求めているのではないかなと。ゲームコントローラーの複雑な操作に熟知したゲーマーだけではなく、もっと簡単に操作できるインターフェース(キネクト)で幅広いエンターテイメントのコアとなる存在を模索しているように感じます。この方向性はXbox次世代機にも受け継がれるのではないかなと。もっとも、コアなゲーマーはKinectの存在を疎ましく感じている人も少なくないようですが。

任天堂

日本が世界に誇る天下の任天堂は「おもちゃとしてのゲーム機」のスタンスですね。あくまで「ゲーム機はおもちゃ」であり「子どもがみんなで集まって楽しく遊ぶもの」という位置づけはネットワークへの投資を大きく遅らせてしまいました。この方向性自体、私は悪いとは思いませんけどね。WiiU発売後のネットワークの位置づけも「ネットワーク越しに知らない誰かと遊ぶ」というよりは、「知ってる誰かとより楽しく遊ぶための補助」という色が強いように感じます。また、Wiiで得た「家族みんなで楽しく遊ぶ」という要素も任天堂デバイスを語る上では外せない要素でしょう。ネックとしては任天堂の求める層はゲームソフトの購買欲が低いという点でしょうか。

SONY Playstation

転じて今回発表のあったPlaystation4を中核としたストーリーはまさに「ユビキタスゲーミング」と言ったところ。方向性は大きく違えど、「ゲームをもっと身近に」という点においては任天堂、MSと同じ思想を持っていますが、異なる点は「ゲームを多くの人に理解・知ってもらうための手段」だと私は思います。インターネットやスマートフォンの普及に欠くことのできない要素は「口コミ(ソーシャル)」です。スマホゲームなどは顕著ですが「知り合いの誰かがやっている」「twitterやFacebookで誰かがやってた・紹介してた」という要素は購買欲を掻き立てて余りある訴求力があります。SONYはこの要素をコンソールに取り込もうとしているわけです。それゆえの「ユビキタスゲーミング」なわけですね。コアゲーマーが楽しそうにプレイしてたら、ライトゲーマーもやりたくなるでしょ?って事なのかな。

という感じが大雑把な各社の方向性なんじゃないかなと私は思います。3社に共通しているのは「どう非ゲーマーを取り込むか」という点ですが、そのための手段が異なるのはオモシロイですよね。3社の他にも今年はOUYA(Androidゲーム機)やProject SHIELD(NVIDIAのAndroidゲーム機)などが多くの耳目を集めています。

ただ、私としては「ゲームはゲーム機で」という意識が強いため、ソーシャルゲームやスマートフォンゲームを含めて、最終的にはコンソール(据え置きゲーム機)に収束するんじゃないかなと思っています。これは各ゲーム会社が長年怠ってきた「知ってもらうための努力・理解してもらうための努力」を再考したためです。

パソコン業界と同じですね。「やりたい人がやればいい」「わかる人が買えばいい」というスタンスは市場をおざなりにした愚行です。ゲーム業界は1次ブーム、2次ブームを経て久しく怠慢になっていたと言わざるを得ません。しかし、ここ数年は「売るための努力」ではなく「オモシロイということを知ってもらうための努力」へと方向性を転換しつつあると私は見ています。

今回のPlaystation4のロードマップではそれがより端的に、顕著に表されていたのではないでしょうか。「より多くの人が楽しめるプラットフォームへ」という3社の思惑は異なる手段によってそれを市場に問うことでしょう。次世代機戦争の口火を切ったSONYの今回の発表が、市場にどう受け入れられるか楽しみですね。

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