UIと学習コスト
UIのお話をせっかくだからこういう機会に書いておこう。
2012-10-08 09:24:14
入力時間 / 24:28
ユーザインターフェースのもたらす効能はなにも「使いやすい」という操作感に限った話ではない。企業にとって時には大幅な時間短縮や人件費削減をもたらす事になる。旧聞になるがUI変更で入力効率が3倍にとい記事をご覧頂きたい。
要約するとユーザインターフェースの変更によって
- 受注1件当たりの入力時間を約3分の1に短縮
- 半年から1年かかっていたオペレータの教育期間が数日に削減 を実現したという記事だ。良質なユーザインターフェースは作業時間や学習にかかるコストを減らす効果があるというわかりやすい例ではないだろうか。
これを踏まえた上で上記のNexus7とiPhoneのロック画面を見てほしい。これはあくまでも例えだが、どう操作すべきか一目瞭然なのはどちらだろうか。ちなみに私を含めて3人がAndroidのロック画面に戸惑った。もちろんこんなのは一度覚えれば理解できる話だ。しかしコンピュータに疎い人間にとって、最初の出だしから抵抗感を与えるという事に変わりは無い。
こういった細かい配慮の差に関しては実際に顧客満足度という目に見える数値で統計が出ている。
2012年日本携帯電話端末顧客満足度調査 JDパワー 2012/02/21(日本)
スマホ顧客満足度調査:最高・最低メーカーは - WIRED.jp 2012/05/17(米国)
※アンケートに答えたユーザの大半がApple信者であるという可能性は否定できないが。
今では世界中で何千万人が使っているiOSとAndroid。もしその操作性によって使用にかかる無駄な時間や学習にかかる労力(時間)を1分でも1秒でも削減することができたら、、それはきっと素晴らしい事だと私は思うんだ。世界規模でみれば膨大な「無駄な時間」を減らせる事になるのだから。
以前、ティム・バーナーズ=リーがhttp://のダブルスラッシュをシングルスラッシュにしておけばよかったと述懐していたが、効率化だとかユーザインターフェースが求めるところは正にそういった細やかな部分で、可能な限り目線を下げて配慮しなければならない部分だと私は思う。
恐らく「当たり前に使っている」人にはわからないだろうし、わかる必要もないだろう。しかし、もしもあなたがUIを設計する立場になった場合、「覚えればいい」という考え方は絶対に持たないでほしい。覚えることもコストに他ならないわけだから。
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