和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(45歳)のブログです。

技術ありき(2)技術と制約

技術についての第二回目。技術って自由だけど自由じゃない。

2011-10-04 11:21:14
入力時間 / 11:39

プログラムを書いてると、いろんな案件の相談が舞い込んでくる。ちゃんと要件定義のある仕事もあれば、荒唐無稽な仕様のものも少なくない。そういったハチャメチャな相談が発生する原因が「技術を勘違いしてる」という事だと私は思う。

技術は思うほど自由ではない。というよりはむしろ制約の方が多い。何をするにしろ前提条件があり、それらの課題をひとつひとつ解決して初めてすこしの制約を取り除き一握りの自由を手に入れることができる。技術とは「なんでもできること」ではない。という認識が欠けている人が多い。これは単に私の技術力の話ではない。と思う。

技術と制約の関係はとても密接で切り離せない深いものだ。技術の前提は制約であると言ってもいい。しかし、その制約を打ち破るのもまた技術だったりする。技術とは「制約の中でいかにやりくりするか」でもあり、「いかに制約の抜け穴を見つけてその制約を突破するか」でもあるのだ。

なので私の中で技術とは「制約を知ること」だと思っている。「枯れた技術の水平思考」という横井軍平の有名な言葉があるが、この言葉にも制約とその制約の中でのやりくりをすることがいかに大切な事かってのが含まれてますよね。Google Mapsで名を馳せたAjaxなんかまさにそうですよ。

と、プログラムの話が主体になってしまいましたが、プログラムだけじゃなく多くの技術分野において「技術と制約」は当てはまると私は思うんですよ。んで、一番大切なのはその制約を知る事だと私は思います。制約に従順になるという事ではない。制約を熟知する事によって制約の抜け道を探すって事。そして制約の中でやりくりするズル賢さを身につけるって事。それが私は真の意味での技術だと思っています。

何ができて、何ができないのか。単純にそれだけの話しなんですけどね。

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