和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(44歳)のブログです。

天災が浮き彫りにした情報伝達の問題点2

連日、福島原発と東日本大震災に関する報道ばかりで食傷気味です。

2011-03-16 22:15:51
入力時間 / 31:25

仕方のない事だとは思いますが、同じことを何度も言うばかりか時間が経つほど誇張されて表現されていくのはいかがなものかなと思う今日この頃です。いまさらマスコミの事をとやかく言うのもどうかと思いますが、福島原発の件に関してはさすがに看過できないなと。

Ustreamで見ていた番組でニュースキャスターや解説者はこう言っていました。「今回の福島原発の事故はチェルノブイリ原発事故を超える史上最大の事故だ」と。もちろんそうなる可能性はあるし、捉える角度によっては複数の原子炉で問題が起きているという点において史上最大と言っても過言では無いのかもしれない。でもその表現は適切とは言い難いと思うし、むやみに不安を煽り立てるばかりか、抜本的な解決策の提示ないこの表現の先には視聴者の絶望と混乱しか待ち受けていない。

もしチェルノブイリと同等の事故であるならば福島原発の半径600km以上に放射能が飛散することになる。本当にそうだと思うならば首都圏からの避難喚起をすべきだろうが、事は決してそこまで切迫していない(現時点ではの話ではあるが)。東京電力も政府も被災下で混迷を極める状況という事を省みればよくやってると私は思う。それが信じられないのであればさっさと国外へ退避すべきだ。騒ぎ立てる必要などどこにあるのか。「原子力安全・保安院は現時点では大丈夫と言っています。それでも心配な人は遠方又は国外へ退避したほうがよいです。」くらい言い切ればいいしょ。世の中に絶対なんて無いんだからさ。

被災地報道にしてもそう。「救援物資が足りていません」と言うからそれを見た人は「足りてないのか!届けなきゃ!」と思うでしょ。でも足りていないんじゃなくて、単純に手配してるけどまだ届いていないだけなわけですよ。震災の影響で道路もメチャクチャですからね。それを自衛隊や自治体の方々が頑張って対応しているわけです。個人が物資を届けに行くことで無用な混乱を招いているのはマスコミじゃないか。ちゃんと伝えろよしっかり。被災者に「足ないものはなんですか?」って聞いたところで状況を正確に理解してない被災者が適切な回答できるわけないだろ。足りてないのはマスコミの思慮だよ。

いまの”報道”は極端に偏向しすぎている気がするのだ。個々が判断するための材料であるべきはずの情報が、発信者の価値観や思考が過度に加わった状態で発信されるから連鎖的に閲覧者に恐怖や不安を与えている。それはもう報道でもなんでもない。個人のブログやtwitterと同レベルと言ってもいい。報道ってそうじゃないでしょう。

人生は本当に理不尽だ。歩道を歩いていて自動車が突っ込んできて死ぬこともある。地震や津波だってそう。ひょっとしたら富士山が噴火することだってあり得るわけですから。原発だって大きな意味ではそれと変わらないと私は思う。死ぬときは死ぬし、運がよければ生き長らえるかもしれない。

騒いだところで何も解決しない。でもマスコミは混乱を助長しているようにさえ感じる。
不安に思っていても、怖いと思っていても、死ぬときは死ぬし、死なないときは死なない。
それは平時においてもなんら変わらない事だと私は思う。

こういう時だからこそ冷静に淡々とありたいもんだ。

追記

避難距離の桁が1つ間違っていたので修正しました。

P.788