Mac App Storeについての感想
本日明朝、Mac App Storeがソフトウェアアップデートから提供開始されました。
2011-01-07 03:39:39
入力時間 / 20:17
今日始まるってことは知っていたけどそんなに気にはとめていなかった。アップデートがもう提供されている事を教えてもらってインストールしたんですけどね。これはちょっとヤバいかも。すごい便利。半端じゃなく。
なにが素晴らしいかをまとめよう。
アプリのインストールが簡単
まずアプリの購入。ボタンをクリックするだけだ。無料のものも含めて。どんな人でも簡単に購入しインストールできる。今までであればアプリを提供しているホームページに行き、ダウンロードし、Paypalなどの外部の決済サービスを使ってライセンスキーを購入し、それを登録する。というような流れだ。それがたったワンクリックで実現する。ありがた過ぎて涙がでる。
アプリの価格が安い
Pixelmatorなどのちょっと有名なソフトでも3500円。ちなみに店頭で買うと8000円くらい。なぜ安いか。それは市場に流通させるよりも当然ばかみたいにコストがかからないからである。店頭で8000円で買うのとApp Storeで3500円で買うのだったらApp Storeで買ったほうが開発者によりお金が落ちるだろう(Appleが3割、開発者が7割なので2450円の純利益)。これはソフトウェアの流通革命と言っても過言ではない。現在のように電気屋でソフトウェアを買うメリット自体が殆ど無いんだ。Windowsアプリは当分電気屋で買わなきゃならないかもしれないけどね。
決済が安心
海外のシェアウェアなどを買う場合、海外の決済サービスを利用しなくてはならないためPaypalなどの有名なサービスだったらまだよいが、怪しい決済サービスを通さなくてはならない場合が少なくない。App Storeではそんな心配は皆無だ。
マルウェアの心配があまりない
野良アプリで多いのがマルウェアやワーム、ウィルスなどである。Macでも何件が報告されているがWindowsでは膨大な量の「フリーウェアを謳ったウィルス」が蔓延している。少なくとも提供がアップルであり、審査を通ったものをAppleのサーバから提供してくれるというのはその不安を払拭してくれて有り余る安心感だ。証明書の信頼が地に失墜した今、数少ない信頼できる提供元のひとつと言えよう。
アップデートが超らくちん
アップデートはApp Storeから購入したものに関してiPhoneやiPadのアプリのように簡単にアップデートを一括で行うことができる。これは本当にありがたい。Adobeの脆弱性問題の時にも思ったが、アプリの提供元が分散している場合、各提供元にいちいち足を運ばにゃならん。10のアプリがあれば10のアップデートを確認して、10箇所からダウンロードしなくちゃならない。それは正直メンドクサイ。今後、セキュリティや脆弱性に対するこまめなアップデートがもっと必要な時代が来るだろう。そういう時代にとてもありがたい統合プラットフォームと言える。
開発者にやさしい
前述の安さの要因のひとつでもある開発者にやさしいところ。仲介するだけで「アップルが3割も取っている」のではなく「3割しか取っていない」と捉えるべきなのは間違いない。開発者は良いアプリをつくればいいだけだ。開発者は開発に専念していればアップルがそれを売る場所を提供してくれる。すばらしい構図じゃないか。しかもいづれはiAdにも対応するだろう。開発者にとってはこの上ないプラットフォームのひとつになる。
ということで良いことづくめのように感じる。が、これはMacというプラットフォームにおいてAppleが支配力を強めることに直結する。言うなればアップル帝国の国民になることを余儀なくされるってこと。まぁ私はアップルが好きだから別にアップルの奴隷になってもいいかなって気はするけどね。っていうかもうほとんど奴隷だしね。
今後、アプリケーション開発企業は非常に苦しくなるだろう。有能な個人はどんどん個人としてアプリケーションをリリースしていき、無能な者が残った開発企業は有能な個人に淘汰されることは避けられようがない。AppleのMac App StoreやAmazonのアプリケーションストアなど個人が比較的簡単にアプリケーションを拡販できる市場が多くなってきている。その時に悲しい思いをするのは残念ながら無能な社員を抱える企業である。まぁ弱肉強食ってことで仕方がないけどね。
とりあえずMacユーザはぜひMac App Storeを体験してみるといい。
P.727