和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(45歳)のブログです。

海保の映像流出の是非

ずいぶん時間が経ってしまったが海保から流出した映像のことを考える。

2010-11-16 18:29:50
入力時間 / 12:40

皆さんは流出した映像をご覧になったでしょうか。なかなかエキサイティングな映像でしたね。あのような映像を見てはじめて自分が安穏とできているのは海上保安庁や自衛隊が日本を守ってくれているおかげなんだなと実感します。

世論では映像を流出させた海保職員について肯定的な意見が多いように感じますが、私としては今回の一時が迎合すべき事かどうかはやや疑問が残るなという印象です。立件できるできないという話ではなくて。

たしかに国民の大部分があの映像を見たいと考えていたとは思いますが、その映像を公開に踏み切らなかった政治家たちは国民が投票によって送り出した政治家たちです。その国家であり政府が下した選択を、一公務員が勝手に国民に知らしめて良いかどうかというと、私は少なくともNOだと思います。

菅首相が「5年後に評価される」とのたまっておりましたが、実際に外交とはある程度、中長期的に物事を見通して考えなくてはならないと私は思うんです。もちろん本当に5年後に評価されるかどうかは別として。

先進国として、法治国家として、秩序ある社会として。自分たちで選んだ政府が頼りないから国民が勝手に舵をとって良いかと言うと、それは違うと思うんですね。極論ですが「国が税金を無駄遣いするから脱税してよい」という理屈は通らないと思うのです。

中国やロシアとの外交に今の日本政府は非常に慎重であり、国民からするとそれは頼りなくも映るし、時として国益を損なっているようにも見える。しかし、外交を一歩間違えば中国やロシアとの戦争になりかねないという事は国民全員が知るべきだし肝に銘じるべきだ。

日本政府が強硬な姿勢をとった事で万に一つでも戦争が起こるような事があっては絶対にいけない。無論、それが弱腰であることの擁護にはならないが、それでも私は戦争なんぞが起こるよりは全然マシだと思うんだがね。

ということで今回の一事、海保職員の心中はとてもよくわかるが、その行為は決して肯定できない。

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