パソコンの代替、ネットブックの末路
一時代を築き上げたネットブックですが、私のネットブックの末路をご紹介いたしましょう。
2010-06-21 19:32:14
入力時間 / 18:15
私がネットブックを買ったのはネットブックブーム隆盛期の2009年5月の事。もちろん私はネットブックなんて今現在1秒たりとも使っていない。いや、そもそもネットブック購入から累計で1時間も使っていないだろう。だってあれオモチャなんだもん。
ということで私のネットブックはオモチャが片付け箱にしまわれるのと同様に使わなくなったガジェット箱に眠っております。そこで今回はネットブック時代がなぜ訪れ、なぜ絶滅したのかという事を考えてみたいと思います。
ネットブックはパソコンの代替という位置付け
ネットブックにはパソコンと同じOSが搭載されていました。それが良くもあり今となっては廃れる原因だったのかなとも思います。PCと同じOSを搭載する事によって市場はそれを「パソコンの代替」もしくは「パソコン」という位置付けとして認識します。ネットブックは「ネットブック」として認識される事なく「パソコン」として認識されちゃうんですね。当然、非力なネットブックはパソコンの代替には成り得ません。これが携帯電話の延長として位置づけられていたなら少し違ったかもしれませんが。
パソコンの代替には成り得ない
前述の通り性能的にもハードウェア的にもパソコンの代替としてネットブックは到底成り得ないオモチャに過ぎませんでした。にもかかわらず搭載されているOSはパソコンと同様のもの。そのためOSの印象・使途とハードウェアの持つ能力の差異が日常的に利用する際の不快感に繋がったのではないかなと私は思います。
誰もが欲しがる夢のデバイスは夢だった
ネットブックは確かに求められていたデバイスだったんです。小さくて携帯性に優れたパソコンと同等の機能を持つデバイス。でもパソコンと同等の機能を持つ事を前提として求めるあまり、パソコンと比較すればするほどイライラは募る。市場が求めるすべてを詰め込んだ結果、ネットブックブームの終焉を迎える事になったのは悲しい現実ですね。すべて詰め込まずに秀でた”何か”を持っていれば結末は違ったかもしれませんが。
アップルが参入しなかったのは正解
結果論ですがアップルが参入しなかったのは今では賢明だと言うことがよくわかります。当時は投資家やアナリストたちが「ネットブックブームに便乗しろ」とアップルを非難していましたが、今となっては笑い話にもなりません。アップルが世に送り出したかったのは「パソコンの劣化版代替機」ではなく「新しいカテゴリのデバイス」だったわけですからね。
ということでiPadが出た今となっては各社こぞってタッチインターフェースを搭載した「タブレットPC」ではなく「タブレット型デバイス」をリリースすることでしょう。Windowsタブレットの失敗も結局はOSが悪かったって事はハッキリしていますしね。インターフェースやデバイスのセグメントの重要性がよくわかるIT業界の黒歴史でしたねということで。
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