見出しのチカラ
見出しやヘッドラインにはもの凄い力がある。が、その反面大きなリスクも孕んでいる。
2010-05-12 03:07:55
入力時間 / 16:19
多くの情報に目を配る人間にとって斜め読みは必須技能のひとつだ。しかし昨今のモラルなき情報の錯綜によってその斜め読みが大きな誤解を招く機会が増えている。それは見出しのモラル低下が著しいためだ。
Yahooトピックスはそうでもないが、Livedoorのトピックスはものすごくヒドイ。というか最近とくに酷くなった。ようはクリック率を上げるために公然と「釣り」をしてるわけだ。事実無根、推測・憶測の記事にこれまた事実無根、推測・憶測の見出しをあたかも事実であるかのように掲載する。ハッキリ言って低俗すぎる。東スポみたいだ。
一応、まだLivedoorのトピックスもこまめにチェックしているのだが今日あまりにも酷い見出しを見つけたのでこうして苦言(愚痴)を綴っている次第である。その見出しではこうだ。
Appleが"NARUTO"の掲載を拒否
この見出しだけを見ればAppleがNARUTOの電子書籍化を拒否したように映るだろう。しかしそんな事実はない。その記事ではこう記載してある。
血の描写もダメ。これも厳しいです。子供たちに人気のワンピースやNARUTOはもちろん、大人に人気のJIN-仁-もひっかかってしまいます。
ようは推測ですよね。そしてその推測の論拠となっているのが「講談社がコミックをiPhoneアプリに申請した際に拒否された理由」です。iPhoneアプリ(アプリストア)とiBooks(電子書籍)のレギュレーションを混同しているわけです。はっきり言って話になりませんよね。
こういった記事が公然とインターネット上に発信され、それを見た人が場合によってはこの稚拙な記事を事実として記憶してしまうのです。これは非常に憂慮すべき事態だ。あまりにも馬鹿げている。この記事が意図的に捏造・誘導されたものなのか、執筆した人間が稀代の馬鹿野郎なのかは問題ではない。こういった情報がネット上にあたかも真実であるかのように掲載されること自体に問題がある。
こういう情報が日本でも増えてくれば日本も中国のように検閲をする必要が出てくるかもしれない。情報に対しての予備知識や抵抗力の無い人にとって掲載されている情報の真偽を確かめるのは困難だからだ。
結局はモラルの問題ですよね。クリック率、ページビューを上げるというあまりに利己的な理由でインターネットに擬物の情報を発信するなど私は本当に許せない。許せるはずがない。もちろんそれはインターネットだけの話ではなく低俗な雑誌や新聞でも散見される問題ではあるが、そういったモラルない行為がゆくゆくは社会全体の首を締める法律を作ることに繋がる。
今までは斜め読みでよかったものが、今後はひとつひとつの記事にしっかりと目を通さなくてはならなくなる。めんどくさくてしょうがない。もちろんこの記事はライブドア自身が発信しているものではなく「デジタルマガジン」という低俗なサイトから供給を受けている情報だ。だがライブドア自身が掲載している時点でライブドアも同罪である。
こういう記事を見ると私は本当にムカつく。インターネットというフィールドを荒らす馬鹿は許せない。
いま、私は本当にムカついている。そして二度とライブドアは見ないと今誓った。
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