和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(45歳)のブログです。

Adobe Flashが悪いわけじゃない

世界はAdobe FlashからHTML5への道を歩み始めたが、それはFlashが悪いからではない。

2010-05-12 01:58:11
入力時間 / 15:46

Adobe Flashは、Macromedia Flashは確かに必要”だった”。ネットスケープやInternetExplrorer4.0時代からつい最近の2009年までFlashは間違いなく必要なテクノロジー”だった”。HTML4はあまりに機能が足りずFlashが無ければ決してインターネットはこんなにもインタラクティブにはなら無かっただろう。

しかし第三世代ブラウザが台頭し2001年にリリースされたIE6.0は2007年から2010年のわずか3年弱の間にバージョン9までアップデートされた。それは次世代のWebを表現するための「ブラウザ」としてだ(Webエンジニアはその度に四苦八苦してきたわけだが)。

Flashはブラウザではない

Flashの存在価値を高めたのはブラウザに足りない機能を補う事ができた点にある。それはAdobe PDFも同様で、ブラウザ黎明期の未発達で未熟なブラウザを手助けする存在だった。しかしHTML5というWebの正当な後継者が現れた今、Flashの「ブラウザに足りない機能を補完する」という役割は終を告げようとしている。

HTMLとは世界共通のオープンなプラットフォームである

HTMLの魅力はそのオープンで拡張性の高い自由度にある。HTMLはバイナリではなく人間にも読める形のマークアップランゲージだからだ。さらにHTMLやXMLは柔軟な構造体にも関わらずに厳格に規格化されている。Adobe FlashがWebの世界に長く存命すれば規格外の解析できない情報を多く混在させることになる。wwwの基礎理念から考えればそれは由々しき事態であることは想像に難くない。

Adobe Flashはだれもが作成できるが、そのプラットフォームはオープンではなくあくまで一企業が支配している規格のひとつに過ぎない。であることを考えればFlashが次世代のWebに残る道は残されていないと言っても言いだろう。

決してAdobe Flashが悪いわけではないんだ。VHSがDVDに、DVDがBluerayに進化するのと同様に、Adobe FlashもまたWeb上での役目を終えようとしている。それはAdobe Flashの絶滅を意味するのか。否。Adobe Flashはアプリケーションプラットフォームとして存在し続けるだろう。もちろんそれはAdobeの考え方次第ではあるが。

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