和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(45歳)のブログです。

日本のWebガラパゴス化について

FacebookがWebの主導権を握りつつある昨今、日本では・・・。

2010-04-22 23:46:02
入力時間 / 23:16

日本のITやWebが遅れているのは今に始まったことではありませんが、技術やトレンドの遅延がより顕著に露呈し始めたなぁと感じるようになってきましたね。Web業界もガラパゴス化しているのかなと少し心配に思っています。

海外ではFacebookがWebの主権を掌握しつつある状態にも関わらずFacebookは日本でまだまだ普及しているとは言い難い状況。おそらくmixiやグリーと同程度にユーザ数が増えるのにあと2年から3年は掛かるだろう。twitterは日本国内でも爆発的にそのユーザ数を増やしているがあれはインターフェースも構造もコンシューマに理解しやすいですからね。

無論、海外のテクノロジやリソースが手放しに評価できるかと言うと話は別だが少なくとも日本のテクノロジ系企業は海外のそれらの足元にも及ばぬ体たらく。しかも日本独自路線を貫くありさまで海外と闘う気はどうやら無いらしい。ビジネススキームで金を得る事はできてもテクノロジで戦おうという大企業は日本に無いのかなとも感じられる。

一時期、Livedoorが海外向けにオープンソースを出したりはてながシリコンバレーに事務所を出したり「日本の技術系もがんばるぞ!」という空気があったが、どれも不発で効果を上げていないのが実情だろう。日本発のテクノロジといえばruby on railsくらいしか思いつかないし。

ということで日本のIT業界やWeb業界は驚くほど後進国なのですよね。これはもちろん今に始まったことじゃないけど。そしてその理由ははっきりしている。第一に日本の第一言語が日本語であること。第二に日本の企業は研究・開発などの即効性の低い分野に投資をしたがらないこと。

第一言語が日本語

私は日本語が好きだがやはり日本語そのものが世界と戦っていく上で足を引っ張っている要素であることを誰が否定できようか。少なくとも私は英検5級に落ちる程度の英語しか使えない。私も実は英語が使いたい!しゃべりたい!でも私は中学生の頃に「俺は日本人だから英語なんてナンセンス!」と言っていたことを少しだけ後悔している。やはり英語は大事だ。なんなら日本語より大切だ。少なくともテクノロジ系で生きていくためには。

トレンドやスタートアップを知る上で海外のソースは必要不可欠。さらに今後Facebookのような世界規模のSNSが主流になっていく上で日本語しか使えない人間は正直かなり厳しい。自身のアプリケーションを海外に向けて発信する時だって結局は英語を使わにゃならん。機械翻訳はハチャメチャだ。やはり英語は覚えておきたいところ。日本という限られた商圏でmixiは1500万人の会員を集めた。だがFacebookは3億人だ。文字通り商圏の規模が違う。

研究・開発に投資しない

日本の企業は大企業も含めて研究・開発に投資をしない。もちろん予算規模だけの話ではない。研究・開発をスムーズに行えるための企業体質を作っていかなくてはならないが残念ながら日本にはそういった風土がない。技術者を大切にしないしね日本は。mixiがスカンクワークから始まったのは有名な話だが、Googleの多くのサービスはスカンクワークからはじまっている。問題はスカンクワークに時間を費やせるためのモチベーションを社員に与えられるかどうかだ。

日本で技術者の地位は決して高いとは言えない。なぜか営業職の方が地位が上なのが不思議でたまらない。営業は数字を作る。確かにそれも大事だが未来の数字を作るための研究・開発の方が私は大切だと思う。が、未来を作るはずの研究・開発にお金も人員も時間も割かない日本がIT後進国になるのは自明の理と言える。2002~2004年頃、IT氷河期真っ只中にで躍進を続けたのは研究・開発に莫大な資本を注ぎ込んでいたサンマイクロシステムズだった。サンは世界でも有数の大企業である。研究・開発はやっぱりものすごく大事。たとえそれが目先の利益にならないとしても。

と、言う事で日本の大企業にもぜひ頑張っていただきたい。日本国内の限られたパイの中から小銭をかき集めるのじゃなくて、世界に向けて日本の技術力をもっと見せつけてやりたい!でも私には残念ながらできない。だから誰かやってくれ(他人頼み)!ガラパゴス化するその前に!!

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