iPadのコンセプトとインターフェース
iPadの素晴らしいところはデバイスではなくそのコンセプト。
2010-04-09 04:46:46
入力時間 / 14:48
iPadの活況が日本にも伝わってきて私は早くほしくてウズウズしてます。購入予定は3G版ですがWi-Fi版が先にでたら間違いなく両方買うハメになりそう。それくらい早く触りたくてウズウズ。
そんなこんなでiPhoneの時もそうでしたけどiPadが評価されるべきはデバイスや製品そのものではなくそのコンセプトだと思う。iPad発表時に多くのメディアやアナリストたちがMacOSではなくiPhone OS搭載へ懐疑的な目を向けていた事は記憶に新しいが、iPhone OSを載せた事は間違いなく正しい。そもそもこの世界でパソコンを理解しフル活用している人間があまりに少ないことがその英断に導いたのだろう。
ネットブックが衰退の一途を辿っているのはなぜか。それは多くのことができる事が品質の決定的な差では無い事の証明だと私は考えている。なぜ多くの人間がiPhoneを選んだのか。なぜ多くの人間にiPadが受け入れられたのか。それは「コンピューティングをより簡単に」というアップルのコンセプトへの賛同者が多かった事を示しているのでは無いだろうか。
そもそもコンピューティングは難解すぎる。MS-DOSの時代から比べればGUIの恩恵によって驚異的に簡単になったとはいえ、予備知識のない人間にとってコンピュータはあまりに複雑だ。そしてコンピュータ業界はそれを大衆に受け入れることを強要した。「これがコンピュータなのだから憶えろ」と。それは商業の本来のあり方とは違うとアップルは言いたかったようだ。
難しいコンピューティングをラーニング”させる”のではなく、簡単に扱えるデバイスを社会に示したかった。それがiPhoneでありiPadだったわけだ。iPhoneやiPadの登場によってパーソナルコンピュータは無くならない。それは住んでいる場所が違うから。でもネットブックは恐らく緩やかな死を迎える事だろう。アップルがネットブックに参入しなかった理由がよくわかる。あれはオモチャであってそれ以上では無いから。
そう考えるとWeb業界も同様のことが言えるだろう。Web業界もIT業界という悪しき慣習にならって難しい知識の習得をクライアントやエンドユーザに強要する業界だ。知らない人は憶えろというスタンス。でもそうじゃない。知識の無い人間でも難なく使えるインターフェースでなきゃダメなんだ。習得に時間が掛かってはダメなんだ。
iPadのようなタッチインターフェースを備えたインターネットデバイスは今後もどんどん増えていくだろう。そうなればパソコンは使えないがコンピューティングができる人間が爆発的に増える。そうなったとき、今のWeb業界のように複雑なインターフェースは淘汰される。
であれば今後はインターフェースデザインという分野に注力していくのが賢明だろうね。
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