Google中国撤退について
Googleの中国撤退。Googleの気持ちはわかる。でも中国政府の気持ちも実はわかる。
2010-01-15 15:57:53
入力時間 / 13:56
中国ではいまだにインターネットをフィルタしている。日本のように誰もがすべての情報にアクセスできる環境ではない事は周知の事実だ。特に天安門事件や人権に関する情報へ一般インターネットユーザが容易にアクセスできる状態ではない。そして今回、Googleは中国政府のその検閲という行いに我慢できず反旗を翻したと言うわけです。とはいえ中国国内でのGoogleシェアは低く、現時点でのGoogleにとってのダメージは然程でもないわけですが(将来的な市場価値はおいといて)。
で、Googleの言い分はとてもよくわかる。インターネットという国境の無い自由なフィールドにおいて、その言論や主張を検閲しフィルタするような行為はまさに自由を侵害する行為に他ならないためである。言論統制とも情操教育とも言える蛮行に他国からは見える事だろう。事実そうだしね。
だがしかし、中国政府のやっていることを完全に否定する事はできるだろうか?私としては「不確かな情報をただ羅列しているインターネットを適性なもののみをピックアップする」という中国政府の言い分にも多少の分があるとは思う。もちろん政治的な意図でフィルタしている方が多いとは思うが。それでも国民に対して有害な情報や愛国心を失墜させるような情報を見せたくないという気持ち、わからなくはない。
それは例えるならば悪い子と友達になるなと言う親の言い分によく似ている。そう。人間は朱に交われば紅くなるのだ。国家にとって、中国にとって有害と判断した情報を国民に見せない事は国策として他国が否定できる事だろうか。
情報爆発以後、このインターネット上には不確かな情報が蔓延している。それはこれからの世代の大きな課題であることは間違いない。現にGoogleもそのことに多くの時間とお金を費やしているわけだが「不確かな情報」という存在は現時点においてもインターネットの大半を占めているわけだ。であれば国家として政府としてそれらを除外するという方向性自体は間違っているとは言えないのではないか。
無論、それらの不確かな情報を含めてのインターネットであることは言うに及ばないが、問題なのは情報を受け取る人間の見極めが必要になる点。不確かな情報を真に受ける人間もいれば、受け流す人間もいる。それらを国民に託せない、託すことができないのが中国なのだろう。
日本のように政治批判を繰り返し、政治が機能しないような国家よりは、国家ぐるみで国民を統率する中国のような形態の方がまだマシなのかもしれない。もちろん賛否両論ですが。こと中国のインターネット検閲問題になると中国が批判される一辺倒なのでちと別な角度から見てみました。
願わくばインターネットに蔓延る不確かで悪意に満ちた情報すべてが消え去らんことを。
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