情報は限りなく透明になる
HTMLやXMLがまさにそうであるように。
2009-12-29 19:19:15
入力時間 / 10:28
いま多くのアプリケーションでは情報にアプリケーション毎の色が着いている。スタンドアロンアプリケーションの多くはアプリケーション毎に独自のファイル形式を持ち、他のアプリケーションでは容易に再利用できない。しかし、今後ファイルやフォルダ、プラットフォームを含むすべての「情報」は限りなく透明になるだろうというお話。
たとえばWebサイトがそうであるように。多くの一般的なWebサイトはマークアップランゲージというプレーンテキストで構成され、どんなアプリケーションでも容易に見ることができ、しかも仕様も公開されている。だからどんなアプリケーションでもその「情報」を同様に扱う事ができるわけです。XMLやRSSも同じことで、より情報を指し示す構造が簡略化されたと捉えることができるわけです。
RSSやXMLを扱ったマッシュアップ系サービスが多いのもそのためで、XML parserを用いて簡単にデータへアクセスできるのはXMLなどのマークアップランゲージの最も秀でた点と言える。これを受けてMicrosoft OfficeのドキュメントタイプがXMLへ移行したという話はまだ記憶に新しいのではないでしょうか。
それでも今数多くあるスタンドアロンアプリケーション群の殆どは独自機能・独自形式でのファイル保存がメインで、他のアプリケーションとの連携を行うためにはAPIやライブラリなどの公開をしていない場合、極めて難しい状態なわけです。しかしそれは「情報の2次利用」という観点から見たとき恐ろしく非効率的であり極めて生産性が悪い。
ようは「情報」は「どのアプリケーションで」ではなく「情報そのもの」をアプリケーションやシステムを意識することなく扱える時代がきっとくる。そうなれば情報は限りなく無色透明に近づき、すべてのプラットフォーム、すべてのアプリケーションから、同様にデータへアクセスし利用することができるようになるのではないか。
私はSaaSやASPが好きではない。それはもちろん商業的な側面から見れば納得できる話なのだが、インポートには対応していてもエクスポートに十分な配慮が成されているものが少ないためだ。「情報」は誰のものでもない使用者のものなのに、それを簡単に2次利用できない構造は決してユーザに最高のエクスペリエンスを提供しうるものとは言えない。
もっともっと遠い未来。すべての情報は分散するのではなく、リレーションもしくは一元管理される時代が来て、アプリケーション間でシームレスにデータを扱える日が来るんだろうな。Google Waveにはその片鱗を垣間見た気がする。
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