和田憲幸のブログ

札幌市白石区在住、個人事業のWebエンジニア 和田憲幸(44歳)のブログです。

新聞配達(ぶんたつ)

私は中学生の頃に新聞配達のアルバイトをしていました。

2009-09-12 15:11:08
入力時間 / 22:15

家は父が事業をやっていたためそれなりに裕福だったのですが、スーパーファミコンのソフトが欲しくて欲しくて新聞配達のアルバイトをすることに。今思い返せば私にとっての人生の背中と言っても過言では無いほど、新聞配達のアルバイトは価値のある貴重な経験でした。

私の担当していた地域は500~600部ほどの世帯で夕刊を配っていたわけですが、新聞配達をやりはじめた当初は地図を見ながら未配をしないように丁寧に丁寧に配っており2時間ほど掛かっていたのですが、案外慣れるのは早いもので1~2週間程度で地図を見なくともサクサク配達できるようになるのです。

地図を見ずに配達できるようになった後は何も考えなくても身体が新聞を配ってくれるフェーズに入ります。これはすごい気持ちがいい。意識とは別に身体が勝手に新聞を配る感覚。なので頭は常にいろんな事を考えることができて、今の私を形成している多くの事柄はこの頃、あれこれ考えていた事が多いです。

普段生活しているうえで、意外と思考に費やせる時間って無いんですよね。せいぜい睡眠の前の数十分とか、通勤時間とか。それ以外の時間はたいてい外側から与えられた何かを考えさせられているだけで、自発的な思考時間というのは案外僅少です。新聞配達をしている1~2時間の思考時間というのは、今思い返せば非常に価値のある時間でした。与えられるわけではなく、与えるわけでもなく、ただ自分の考えたい事を考える事ができた時間なんです。

そして新聞配達はとても楽しかった。配達ルートと配達する世帯を覚えたらあとは時間をどれだけ削れるかを試すのです。当初2時間掛かっていた配達も円熟期には最高45分というラップタイムを記録。そりゃぁもう全力で疾走してましたよ中学校時代の私は。新聞配達業界のアイルトン・セナと言っても過言ではないでしょうね。配達時間をストップウォッチで計るだけで新聞配達は驚くほど楽しくなるのだ!

そう。どんな単調な作業でも、どんなに面白くない作業でも、面白くする事は可能なのだ。ただ、作業をするんじゃなく、思考をもって作業をすればそれは決して無駄にはならない。「仕事がつまらない」と切り捨てる前に「仕事が面白くなるための努力をしているか」を自分に問いかけてみれば自ずとわかることでしょう。

ともあれ、前述のお金を貰ってる以上お前はプロだというお話もそうですが、私にとって新聞配達とは掛け替えの無い経験であり貴重な財産だったりします。今の自分がこうあれるのも新聞配達を経験したおかげです。お子様がいらっしゃる方はぜひ新聞配達でもアルバイトでも子供にさせてやってください。お金のもつ価値や働く事の重さがわかる子供になると思うので。

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