原点回帰
何を持って楽しいと感じるか。何を持って幸福と感じるか。
2009-04-19 05:13:00
入力時間 / 11:36
モノを創る事を生業としているとふとした瞬間に強い虚無感に襲われる事がある。
何のために創っているのか
なんて事に悩んだりするわけです。私も例外なくよくその事に頭を悩ませます。金のためにモノを創るってのはそういう事と向き合うって事ですよね。お金をもらってる以上。
クライアントの自己満足のための制作だったり、馬鹿な代理店の指示による制作だったり、俺が創りたいのは本当はこんなのじゃないんだ。なんて思ったりする事も過去にはよくあったもんです。地に足のついていない頃はよく悩みましたね。何のためにモノヅクリをしてるのかなんて、そんなことどうでもいい事なのに。
幼少の頃、親バカ全開の母に絵を描いては褒めちぎられ、当時はそれだけで満足できたし、十分にうれしかった。創作の原点って「自分を表現」することでも「金を得る手段」でも無く、ただ「創る事が楽しい」から、という理由でいいんじゃあないか。
この手の仕事を続けていると、絶対に「モノヅクリ」が楽しくなくなる瞬間があると思う。
でも、モノヅクリはやっぱり楽しい。それは人に指示されたものでも、自分の本意でないものでも。モノを創るというその行為、そのものが楽しいからこの仕事をやっているとふと気づく瞬間がある。逆にモノを創る事がそんなに好きではない人にはきっと続かない職種なんでしょうね。
キャリアを積めば積むほど、くだらないプライドや世間体に惑わされて、どんどん原点から遠ざかる。最初はこんなものを創るだけで十分楽しかったじゃぁないか。うん。楽しかった。何かを創る事が楽しかった。創れること、それ自体が目的であり、達成だった。
「何かを創る事」は「世間に評価を求める事」ではない。何かを創った結果、それがたまたま世間に評価されたらよいけど、それ自体を目的としてはならないのではないか。創る行為、その熱、それ自体に価値があり、それ自体が悦びなんじゃないか。
とか考えたりしてますよね和田は。
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